知人の車

知人のクルマ選びっていいですよね。だって、自分のフトコロを痛めず、車選びが楽しめるのですから・・・

1)スバル インプレッサWRX

2)三菱 パジェロ Jトップカスタム

3)ホンダ シビック VTi

4)日産 マーチ

5)三菱 FTO

6)トヨタ MR2

1)スバル インプレッサWRX

◎概要:同期のK社員の愛車。当初、彼は年代物のフェスティバに乗っていました。とてもいい車で、居住性も高く、私も好きな車ですが、いかんせん古さは隠せず、普通にコーナーを曲がる時でもはでにタイヤを鳴らす天然Fドリマシンでした。さすがにK氏も旧MR2にでも買い換えようとこつこつお金を貯めていたようです。ところが、いったいどうやって貯めたのか分かりませんが、貯金額は日に日に増え、それに伴い購入対象も旧MR2から現行MR2へ、さらに”ミッドシップでスキーに行くのは自殺行為に近い”と気づいた氏は、四駆のインプレッサへと購入対象をかえました。275馬力でドリフトを企む私は、インプレッサならSTiがいい、と魔の世界へとささやきかけますが、”275馬力もいらない”と私の誘いを断ちきり、さらには”240馬力もいらない。レガシーのセダンで充分”と、まるで常識人のような事まで言うようになりました。もちろん、まだまだK氏には、はじけて欲しいと願う私はインプレッサ購入へ向け、悪魔の誘いをささやき続けましたが、そんな彼が280馬力の新型インプレッサを購入しようとは誰が予測できたでしょうか・・

◎走り:2リッターにして280馬力をたたき出し、1260kgの軽いボディを四輪駆動で加速するこの車は、間違いなく国産最強クラスの1台です。数々のラリーシーンで優勝を飾り、舗装路、ダート、スノー等ステージを選ばず、常に矢のごときスピードでドライバー及び同乗者を目的地へと運ぶこのマシンはまさにゲレンデエキスプレスと呼ぶにふさわしい車です。この車と対等に戦えるのは、インプレッサと同じコンセプトでつくられながらも外見にえげつなさがにじみでている三菱ランエボくらいしかないでしょう。中身のえげつなさはインプレッサも五分だと思いますが。

◎居住性:スポーツカーどころか、その辺のチューンドマシンよりはるかに高性能なこのマシンは、しかし同時に4ドアセダンとして4人がちゃんと座れる居住性をも兼ねそろえています。ルックス的にもランエボと違い、比較的普通のセダンの形をしているので、車にそれほど詳しくない人が見れば、ドコモの営業車と同じ車にのった常識人に見られるところがポイントで、実家に帰っても隣近所のひんしゅくをかうこともなく、安心して帰省できるというものです。もっとも、少し近くでみれば、そのボコボコとボンネットに空いたエアスクープや、暴走族のようなエンジン音から、このマシンがカタギの人間の乗るマシンではないことがすぐに分かります。羊の皮をかぶった狼、でも牙と爪が少々はみ出してるようなたたずまいが、氏にピッタリである、と個人的には強く思う次第です。

◎まとめ:いろいろと書いてきましたが、インプレッサが優れたマシンであることは誰もが認めるところであり、氏も非常に満足し、大切にしているようです。本当ならインプレッサの唯一の弱点である燃費の悪さに氏が苦しむはずで、私もそんな氏の姿を心待ちにしていたのですが、残念ながら氏のマシンは燃費もとてもよいということで弱点がなくなってしまい、さみしい今日この頃です。そんな幸せな氏の唯一の悩みは、16インチの大径ホイールのため、スタッドレスタイヤがとても高価なことだそうで、チェーンにしようか15インチにしようか迷っていることだそうですが、冬のスキー場をサインツのように四輪ドリフトで駆け抜ける氏の姿を心待ちにしている私個人としては、ぜひ16インチスタッドレスにしてもらいたいと思う次第です。
 しかも、一時期氏のクルマは、心ない人により盗難されましたが、2週間後に無傷で発見!という奇跡の生還を果たし、氏の愛情もよりいっそう深まったことでしょう。

2)三菱 パジェロ Jトップカスタム

◎概要:同期のW社員の愛車。当初、もらい物のホンダ Todayに乗っていた彼ですが、そろそろまともな車が欲しい、ということで車探しが始まりました。最初は100万円以下の予算ということで、ホンダのインスパイアや旧型のハイラックス・サーフ、旧型パジェロ等が候補にあがっていました。しかし、旧型パジェロを見にいった帰り、偶然立ち寄った中古車店でみた現行パジェロに一目ボレ。135万円と大幅予算オーバーにもかかわらず、次の日には契約しました。

当時、たしかに現行パジェロが135万円なら、とても安い値段でした。しかもショップ・カスタムでオーバーフェンダーと大型タイヤが装着されていました。シルバーのカラーも、ワイルドな概観の中にどことなく知性を感じさせ、氏にピッタリと言えます(それは誉めすぎです)。

◎走り:めずらしくガソリン3リッターということで、RVばなれしたパワーとスピードを発揮します。高速道路やスタートダッシュ等はまったく不満のない動力性能です。ディーゼル・パジェロオーナーにも試乗してもらいましたが、やはりそのパワー感はかなり異なるそうです。もっとも、その分、ガス代は高くつきますが。コーナリング等は、ノーマルより高い車高ゆえ苦手です。

本業の悪路走破性能は、国産車でもトップクラスといえます。川を越えたり、45度斜面を登ったりしてみましたが、豊富な4WDモード、軽い天井部分、短いホイールベース、そしてありあまるパワーと、まさにRVのキングの座にふさわしい性能です。あ、あと、ボディはとても頑丈なようです。シビックくらいなら簡単に潰せるかも・・

◎居住性:特筆すべきは、この車がRVでありながらオープンであるということでしょう。高い車高による見晴らしのよさ、オープンエアの爽快さ、4WDとまさにリゾート・エキスプレスです。ただ、リアシートは乗り心地があまり良くない点と、思ったほど荷物がつめない点が残念です。

◎まとめ:氏がこの車を購入してから、早いものでもうすぐ2年が過ぎようとしています。最近ではBMWやウィンダム等、そろそろ他の車が気になりだしたようですが、なかなかこの車のような劇的な出会いはないかもしれませんね。

3)ホンダ シビック VTi

◎概要:後輩のO社員の愛車。群馬に住むことになった氏は、しばらく車なしで生活していましたが、さすがに群馬では車無しでは不便だということで、人生初のマイカー購入に踏み切りました。私は基本的にアドバイスはしますが、人のマイカー購入には口出しはしない主義ですが、彼の ”実家の近くにシルバーのホンダ ドマーニがあったんです!どうでしょうか!!” と、明日にも買ってきそうな勢いに不安を覚え、”ちょっとシブすぎるんじゃない?”と彼のカーライフを年齢相応にすべく協力態勢に入りました。

候補車としてトヨタ レビン、セレス、マリノ、日産プリメーラ、ホンダ シビック、シビックフェリオ等があがりましたが、居住性、予算、ルックス、操縦性等を吟味した結果、シビックVTiに決定しました。色は当初キャプティバブルーを探していたのですが、一ヶ月探しても見つからなかった為、次点で赤になりました。シビックフェリオのSiRもいいセンいってたのですが、少々走行距離が多かったのと、修復暦があるとのことでシビックにしました。

◎走り:パワーと燃費を両立させたV−TECエンジンと軽量ボディーは、MTシフトとあいまってボーイズレーサーらしい、キビキビとした走りをみせます。さすが、世界戦略の小型車。足回りもストローク充分で硬すぎず柔らかすぎず、いい感じです。なんにせよ、彼の場合、まず運転に慣れることが重要課題ですので、必要十分といえます。最近はその効果がでてきたのか、縦列駐車も少しうまくなったようです。

◎居住性:外見から想像するよりずっと広く、大人4人が十分乗れます。日本では普通の小型車というイメージがあるシビックですが、アメリカではちょっと成功した若者がのる車ということで、非常に人気があります。ルックスもよく見るとテールにかけて収束するなかなかスポーティなたたずまいです。

◎まとめ:ちょっとスポーティなイメージの小型車が欲しい。でも、中が狭いのはいやだ、という方にはピッタリの車、それがシビックです。ちなみにインテグラも外見が違うだけで、中身は同じです。本人もいたく気に入っている様子で、毎週洗車はかかさないようです。ちょっと赤いボディーカラーが変色しやすいという難点がありますが、彼は2種類のワックスを使い分けてまでケアする気合の入れようで、車も本望でしょう。次はアコードワゴンだ!と、すっかりホンダの営業戦略に乗せられた氏ですが、国産者と同じくらいの信頼性で質実剛健かつインテリジェンスただようゴルフカブリオレなんかも狙い目だと思います。まあ、当分先の話でしょうが。

4)日産 マーチ 1.3A#

◎概要:実は、私の母の車です。実家が駅から少々離れたところにありますので、車がないとやはり不便だということでマイカー購入に踏み切った母は、最初ビートがかわいい!とお気に入りのようでした。しかし、マニュアルしかないということで断念、次点のマーチ購入となりました。ポイントはルックスと色だそうです。

◎走り:予算と車種がきまったので、あとは私が車雑誌で探し、条件にあう車が出てきた時点で試乗、見積してきました。確か5年前くらいで85万円くらいだったと思います。1.0でも良かったのですが、高速道路等の余裕、価格差が少なかったこと、さらに私がECVTに乗ってみたかったので、1.3A#にしました。これは大正解で、変速ショックのない上品な吹け上がりと充分なパワー、小回りのきく車体と充分満足のいく性能でした。もちろん燃費も良いので経済的です。

◎居住性:この車の美点は、ECVTともう一つ、パッケージグの良さです。外見から想像するよりも中ははるかに広く、高い天井とあいまって快適な居住空間を作り上げています。さすがに120kmを超すと風きり音が大きくなりますが、街乗りレベルではまったく不満はありません。小型車やエコロジーが注目されている現在に、まさにぴったりな一台です。

◎まとめ:モデルチェンジサイクルが長いので、古く見えない点もGoodです。バイトで数多くの車に乗ってきましたが、移動手段としての車としては最良の一台と言えます。

5)三菱 FTO

◎概要:私の同期であるO君(ゴルフ好き)は、以前よりFTOを狙っていましたが、親から譲ってもらったシビックMXでも特に不満があるわけではなく、また100万円以上という相場からほぼあきらめていました。しかし、そんな3月のある日、いきなり深夜11時に氏は一枚のチラシを手に、私の部屋に飛び込んできました。「これ、どう思う!?」。そこには、特売58万円の紺のFTOの姿が。これは破格だ!!こんなチャンスは早々あるものではありません。当日、朝7時に店に駆け込んだ氏は、タッチの差で待望のFTOをGETすることに成功しました。しかし、私の周りの人は、ドラマティックな車購入が多いなあ。

◎走り:シビックで充分満足していた氏は、まったく走りには興味ありません。しかし、そんな氏にとっても1、5lファミリーカーから2、0lスペシャルティの違いは分かるらしく、「FTOに比べると、シビックは車じゃない。」とまで豪語しています。確かに、三菱初のハンドリングマシンであり、インテR登場まではベストFFマシンの名を冠していたFTOは、パワフルなNAエンジン、軽快なハンドリング、ゲーセン感覚のINVECSーU等、かなり走りの楽しい車です。私も一度、試乗させていただきましたが、すばやいシフトタイミング、軽快な足回り、吹けのいいエンジンと、思わずそのままワインディングに持ち込みたくなるほどFANな車でした。

◎居住性:中は、はっきりいって狭いです。三菱も、スペック的にはなかなかスポーツカーっぽくなってきましたが、コックピットはタイトというより、単純に”狭い”といった印象です。フロントのグラスエリア上部が低いのが原因の一つでしょう。後部座席は、あるだけありがたい、といったレベルです。しかし、この手の車にとっては、たいした問題にはなりません。アグレッシブなスタイルに、FANの動力性能。あとは、2人乗れて、トランクにゴルフバッグが入れば充分です。

◎まとめ:FTOは、三菱のなかでは私は一番好きな車です。無機質な車が多かった三菱車のなかで、初めて走りに対する情熱を感じた車です。残念ながら、その特異なスタイルから市場ではいまひとつ人気のない車ですが、斬新なリアビュー等、かなりお気に入りです。氏のもっかの悩みは、「自分で運転している時はFTOのリアビューを見れない!」事だそうです。あたりまえなんですけど、車好きなら誰しも思うことですね。

 

6)トヨタ MR2 GT−S

 さて、上記FTO購入から約1年が経過した頃、突然O氏からメールが。いわく、又車を購入したいので相談にのってくれとのこと。はて?あんなにドラマチックな出会いをしたFTOに、もう飽きたのかな?と聞いたところ、なんと、先日交差点で信号無視したオデッセイに突っ込まれ、廃車になってしまった!!そうです。まあ、本人は大した怪我がなかったようで、なによりです
(本人のコメント:い〜や、右手骨折全治5ヶ月の大ケガだ!おかげで左手でイロイロできるようになった)。
そしてラッキーなことに、保険が100万円降りる!購入価格より、高いじゃん・・・そんな事情で、わずか1年たらずで、彼のクルマ選びが再開されました。

 今回の氏のリクエストは、
◎予算はコミコミ150万円くらい
◎かっこいい、スポーツカー風のクルマが欲しい
◎燃費が悪くない
この3つでした。そこで氏の候補になったのが、
@またFTOAMR2(NA)B現行インテグラC新シルビア(NA)Dレグナム
 うーむ。@のFTOというのは、せっかく新しいクルマに乗れるというのに、同じクルマというのも芸がない・・・
AMR2。これはいいかも。NAよりも、ターボの方がリセールも高いし探しやすいけど、そこそこ楽しいかも
Bインテグラ。これはヤメテ欲しい。インテR以外は金の無駄。
C新シルビア。これもNAは激遅らしいし、もったいない。
Dレグナムか。結構かっこいいよね。便利だし。でも、せっかく20代最後のクルマ選びなんだから、もうちょっとハジけて欲しいねえ。
 そんな感想をメールで返そうと思った矢先、氏から”インテグラとシルビア、見てきたよ〜”との回答が!は、はやい。どうしよう、もうインテグラ契約してきたよ!なんて言われたら。別にインテグラは乗りたくないなあ、などと自己中心的な思いをめぐらせつつ、ドキドキしながら彼の返事を確認したのところ、
・インテグラ=イマイチかっこよくない
・シルビア=スタイルは良かったが、対応したディーラーのアンチャンがイマイチだった
との事。理由はともかく、一安心。
 しかし安心したのも束の間、彼には時間がありません。群馬でクルマなしで生活するというのは、ラクダなしでサハラ砂漠を横断するようなもの。通勤どころか、メシも食えません(やや誇張ぎみ)。残るは、MR2か、レグナムか。
 ”昔からMR2のスタイリングには憧れていた。しかし、2シーターは不便そうだし、むむむむむ。”という葛藤の日々がしばらく続いたようですが、”一応トランクにはゴルフバックが入るよ”という元オーナーの一言が、ゴルフ好きの氏のココロを動かし、購入を決意したようです。しかも驚いたことに、一度MR2(NA)に試乗したところ、”遅くてスポーツカーっぽくない”とのことで、急遽ターボにグレードアップ。とても親のシビックELシルバーメタリックに乗っていた人間のセリフと思えません。しかも購入したMR2は、メタリックレッドの17インチホイール装着というヤンキーすれすれの派手な外観で、私の期待を上回るハジケたクルマ選びになりました。

◎走り
 245馬力を叩き出す2Lターボエンジンは、なかなかスムースかつパワフル。特にスタートダッシュは、少々のウェット路面でもホイルスピンせず、瞬時に100kmまで加速します。ブレーキも強力。
 コーナーでの初期入力は機敏。ただし、高速コーナーでは少し不安感が伴います。動力性能的には、かなり高いと言えます。

◎居住性
 2シーター、しかもリクライニング不可ということで、室内サイズはミニマムですが、トランクがそこそこ使えるので、旅行もOK。トヨタらしい内装は、質感的には不満はありませんが、スポーツカーらしい演出に欠けるところが残念。

◎まとめ
 245馬力のミドシップマシンが150万円以下で購入できるなんて。日本人でよかったと思わせる、そんなクルマです。氏も、憧れのクルマを手に入れて、いたくお気に入りの様子。是非、同期のインプレッサと榛名でバトルして欲しいものです。

 

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