RX-7 vs S2000!!
比較試乗レポート

@S2000

AS2000typeV

 

◎S2000とRX-7

 HONDA S2000とMAZDA RX-7。クルマ購入を検討する時、この2台を比較する人は、実は少ないのかもしれない。両者ともそれぞれのメーカーを代表するスポーツカーであり、それぞれに根強い固定ファンがいる。当然、そういった人々は指名買いで、他車を比較試乗することなどないだろう。しかし、多くのスポーツカー好きにとっては、この2台は非常に気になる存在ではないだろうか。確かにS2000はNAの2座オープンカーであり、RX-7はロータリーターボのピュアスポーツ、とボディタイプの違いは大きい。しかし、両車とも純粋に走りの楽しさを追求した車であり、両方とも捨てがたい魅力、というかオーラを放っている。しかも購入金額は両方とも400万円と同価格帯であり、しかも高価である。400万円という大金を出すんだから、他車が気になって当然だと思う。そこで、今回車の買い替えを考えている筆者が、それぞれディーラーの試乗で感じたことをレポートすることにした。両車の購入を検討されている方に、少しでも参考になれば幸いです。(尚、本レポートはS2000の試乗をメインに記載しております。RX-7の詳細レポートは、ここを参照下さい。)
 ちなみに、今回のS2000の試乗は、横浜ホンダベルノ系列の、ある営業所で行った。この横浜ホンダベルノのHPは素晴らしい!!S2000の試乗車は、当然圏内の各営業所に日替わりで移動している訳だが、なんと、現在神奈川県内のどこでS2000が試乗できるかをカレンダースケジュールとしてHP上に公開しているのだ!S2000くらい高額なスポーツカーともなれば、ちょっと試乗してみたいな〜なんてレベルだと、なかなかディーラーとコンタクトしづらいし、ましてや試乗車を取り寄せてもらうのも心苦しい。でも、S2000にあこがれ、一度でもそのハンドルを握ってみたいと思っている人は、少なくないハズ。試乗車のスケジュールが把握できれば、試乗車が近場のディーラーに来たときに、アポイントなしで訪問することもできる。個人的に思うのは、S2000のようなカリスマ性のある車は、一度でも試乗させれば”いつかは買ってやる!!”というファン層(販売予備軍)を形成できると思う。そういった意味でも、横浜ホンダベルノの試みは大賛成だ!スポーツカー冬の時代、正直ホンダベルノ店の経営は厳しいと思う。でも、なんとか頑張って、こういうファンに応える方法を続けていって欲しい。スポーツイメージこそホンダのブランドイメージのコアコンピタンスなのだから。

 ホンダベルノ横浜のHP http://www.verno-yokohama.co.jp/

○概要

RX-7:世界唯一のロータリーエンジン搭載車であり、国産随一のピュアスポーツカー。瞬時に吹けあがる280馬力ロータリーターボユニットと、1200kg台の車重、50:50の重量配分と、まさに全身スポーツの塊。個人的には、日本でピュアスポーツカーといえるのは、RX-7だけだと思う。エクステリアデザインも秀逸。

S2000:ホンダが30年ぶりに作ったFRスポーツカー。あの素晴らしいVTECエンジンを搭載したFRスポーツがあれば!!というスポーツカーファンの期待に応え、ついに昨年発売開始。しかもオープンボディで!

2車の概要については、おそらくご存知の方が多いと思うので、ここでの説明は簡潔に済ませることにした。ちなみに、試乗前の個人的な長短所を記載すると、下記のようになる。

RX-7の長所
-ターボパワーによる、絶対的な動力性能。しかも、マフラー交換レベルで簡単にパワーアップ可能。
-色あせない流麗なエクステリアデザイン。
-おまけ程度でもリアシートがある。手荷物を置くのに便利だし、子供ができても小さいうちは大丈夫。
・短所
-燃費の悪さ。ガソリン代が高騰する近年、これは正直つらい・・
-個人的には気にしていないが、リセールバリューは高くないだろう。

S2000の長所
-世界に誇るVTECユニット。NAのレスポンスと伸びは最高。
-オープンの爽快さは、なにものにも変え難い長所!
-ガンガン飛ばしても、リッター10kmはいくらしい。
-注目度、ブランド力はバツグンで、あまり車に興味のない人でも知ってる。
・短所
-価格が高い・・・
-2シーターは、やはり色々と不便。

 正直に言うと、個人的にはFCオーナーであったこともあり、RX-7に軍配を上げていた。マツダのスポーツカー作りは、なんというか体にフィットする気持ち良さがある。そう、あたかもドライバーの意思に直結されているかのようなハンドリングと味付けは、スポーツカー好きにはたまらない魅力だ。しかも、FDなら中古で150万円くらいからある。たしかにS2000は非常に気になるが、いかに250馬力とはいえ、NAユニットで1200kgのボディではRX-7の敵にはならないと思う。むしろ、トルク不足で、日常ではつまらないだけの車のような気がする(まあ、FDのトルクも低いけど)。S2000が発売されたとき、一度本社のショールームで実物を見たが、想像以上に大きなボディに軽い失望を感じた。しかも、座ってみるとサイドシルが高いせいで開放感に欠ける。これではなんのためのオープンなのか。スペックを追求するあまり、楽しさをスポイルさせてしまっている・・・これが正直な感想だった。

○居住性
 RX-7:タイト。このヒトコトに尽きるが、これは誉め言葉だ。着座位置、シフトの位置、メーターからインテリアデザインにいたるまで、全てがスポーツするためにデザインされており、ドライバーに軽い高揚感を促す。座った時点から、スポーツは始まっているのだ。ちなみに後部座席は、人を乗せるには不向きで、手荷物置き場程度。
 S2000:案内されたS2000は、個人的に一番好きな白だった。たしかに外見は大きい。ドアを開け、シートに座る。ホールド性は悪くないが、まあ普通のシートだ。インテリアは、デザインといい、質感といい、きわめて常識的で、スポーツムードに少々欠ける。キーをひねるが、無音。あれ?あ、そうそう、イグニッションボタンを押すんだっけ。変なところで凝ってるなあ。ワンプッシュ、と同時にVTECエンジンがヴォンと目覚める。思ったよりスポーティなエンジン音で、最近の静かなエンジン音に慣れた体には新鮮に感じる。やはり、ホンダ車はエンジンが全て、という想いが自然とよぎる。軽くレーシングすると、スムーズに、しかし想像以上に存在感を感じさせながらエンジンは呼応する。RX-7以上にエンジンの存在を主張するクルマだ。カタログではオモチャっぽいと感じていたデジタルタコメーターも悪くない。いや、正直にいうと、インテリアデザイン等の瑣末なことは、右足から伝わるVTECエンジンの鼓動による興奮にかき消されていたというのが本音だ。

○動力性能
 RX-7:ロータリーターボの吹けあがりは凄まじい、のヒトコト。セカンダリータービンが回り始める6000回転以上の加速は、正直私の感覚では追いつけないほどの吹けあがりを見せる(絶対的な加速性能では、インプレッサの方がすごかったけど)。ハンドリングもシャープ&ダイレクトで、スポーツカーとしても絶対性能はS2000を凌駕する。
 S2000:シフトを1速に入れ、静かにクラッチを繋ぐ。普通に前に進む。まあ、9000回転まで回るハイチューンエンジンとはいえ最新のクルマだ、予想通り、30km以下は極めて普通の車だ。交差点を右折すると、見通しのいいストレートが広がる。迷わず2速で全開!!小気味のいいビートを奏でつつ、スムーズかつリニアに速度を上げる車体とタコメーター。さすがホンダのスポーツカー、よく回るエンジンだな・・と感じた瞬間!!タコメーターが6000回転を超えると同じに、ターボのような加速が!!うわっ!こ、こいつは・・・速い!!私はVTEC搭載車に乗るのは初めてではない。シビックSiRやプレリュードSiRでは、そのスムーズかつ上質な吹けあがりに感動したものだ。しかし、こいつは・・・格が違う!シビックやプレリュードが、高回転域でも2次曲線を延長するように、そのまま回転を上昇させるのに対し、S2000のVTECは高速側に切り替わった瞬間、あたかもターボ車のように加速を倍増させる!誰だ、S2000のVTECを大人しいエンジンなんて言った奴は!確かに低速から高速域までスムーズに吹けあがるという表現には間違いない。しかし、高回転側カムへの切り替わりは、スムーズだが確実にそのポテンシャルを爆発させる。正直言って、街乗りの試乗では、9000回転まで回すことはおろか、6000回転以上回すことさえ、2回しかチャンスがなかった。それだけパワフルなエンジンと言える。2回目は上り勾配での2速フル加速だったが、S2000は1240kgの車重を全く意識させることなくその車体を加速させていく。比較してみれば、トルク感及び絶対的な加速スピードはRX-7に及ばない。しかし、街中レベルではその優劣を明白にさせる機会はほぼない。むしろ特筆すべきは、そのエンジンレスポンスの素晴らしさ!たとえそれが2000回転レベルの常用低回転であろうが、高回転側カムの作動した7000回転であろうが、僅かなアクセルのオンオフにも、まるで脳と直結しているかのごとくダイレクトな反応を見せる。こと気持ち良さ、リニアリティという点では、VTECエンジンの素晴らしさの前には、さしものロータリーエンジンもかなわない。エンジン屋、ホンダの面目躍如といったところだろう。
 シャーシについては、噂どおりオープンボディを意識させない高剛性ボディだった。私は評論家ではないので、理論的にボディ剛性の高さを説明できない。しかし、走り始めれば、おそらく誰もが車体のしっかり感を体感できるだろう。それは、例えばフロントウィンドウが揺れないとか、内装のきしみ音がしない、とかいった些末な剛性感とは次元が違う。加速、減速、コーナリング、すべてに時点において、あたかも一枚の巨大な金属の板に乗っているような、そんな感覚が感じられる。
 ハンドリングについては、非常にリニアといえる。うーん、説明が難しいのだが、なんというか、味付けが絶妙!としか言えない。低速でも高速でも、ハンドルはただありのままインフォメーションを伝えてくれる。パワーアシストも、重過ぎず、軽すぎず。なんだか当たり前のことのようだが、そうではない。タイヤのゴム、サスのブッシュ、ギヤやパワステオイル、そういったあらゆる機械的なデバイスの存在を感じさせず、路面情報を伝えてくれるのだ。伝えてくれるのは外部情報だけではない。入力に対し、いまクルマがどのようなアクションを取り、どのような状態にあるか、そういったことまで伝わってくる。つまり、ハンドルにすべてのクルマとの対話がこめられているといっても過言ではない。私は今まで、ノンパワーの愛車205のハンドリングが、ことインフォメーションに関してはベストだと思っていた。しかし、S2000と比較すると、ガサツな感じがぬぐえない。ダイレクトだと思っていたノンパワーの手応えも、不必要な徒労に思えてきてしまう。RX-7ですら、不必要なアシスト感を感じてしまう。さすがNSXで世界一のハンドリングマシンと評価されただけある。非常に高いレベルにおいてだが、S2000が一枚上手だ。コーナリング性能については、私のレベルではその優劣を論ずるとこまでいかなかった。すなわち、両者とも全く不満がないレベルで、これ以上はサーキットにでも持ちこんでみないと何ともいえないというレベルにあるということだ。ただ、タイトターンレベルではRX-7の方がややフロントミッドシップらしい感覚が強かった。
 そしてオープンであることについて。ホンダ本社で座ったときは、やや閉塞感を感じたが、何故か走ってみると開放感が強かった。フロントウインドウについては、傾斜もそれほどきつくないし、位置自体も結構ハンドルから遠いため、あまり気にならない。サイドシルについても、やや大柄なボディのおかげか、パッセンジャーシートの広さが空間の広さを感じさせ、窮屈な感じはしない。MR-Sはやたらと空だけ高くって、まるでバスタブで移動しているような違和感があったが、S2000はオープンの爽快感を十二分に感じさせてくれる。

 正直に告白してしまうと、今まで色々書いてきた感想なんて、読まなくてもいい(笑)。素晴らしいVTECエンジンを小気味のいい6速MTを駆使しつつ堪能し、オープンの開放感を味わう・・・それがすべて。それだけで、他車と比較することすら無意味に思えてきてしまう、そんなクルマだった。いつまでも走っていたくなるような気分にさせる。走ることが楽しい!と純粋に感じさせてくれる、それがS2000だった。
 

○結論
 何だかメーカーに配慮して白黒つけられない評論家みたいな結論だが、どっちがいい、なんて結論は出せなかった。一つ一つのファクターを抽出して比較していけば、例えば絶対的なパワーをもとめる人はRX-7、NAのリニア感をオープンの爽快さを求める人は、S2000をどうぞ!なんてありがちな結論は出せるかもしれない。でも、そんなファクターや理由はどうでもいいことだ。っていうか、両車に興味がある人の参考になれば、と思って色々書いてきたが、それすらどうでもいい。私がヒトコト言えることは、”ぜひ実際に乗って欲しい”。RX-7、S2000、どちらか一方を検討している人、スポーツカーにちょっとでも興味がある人、いや、なんならRVを購入している人やクルマに興味がない人だってかまわない。とにかく両車に一度、乗ってみて欲しい。クルマを運転することを純粋に楽しむ、そのことに向けて、メーカーが魂を込め、本気で作ったクルマがどういうものかが分かる。そして、この2車に優劣をつける点があるとすれば、それは、もはやその人の感性にどっちがあうか。自分のドライビングプレジャーを感じる心が、どっちとシンクロするか。この方法でしか、結論は出せないと思う。もし悩んだ末にどっちかを購入したとしても、絶対に満足できる。そんなクルマだ。
 なんて言ってみたけど、上記がすべての人に当てはまるとは限らない。何だか何を言ってるんだかよく分からないと思うかもしれないが、言ってる本人もよくわからない(笑)。というのは、400万円という金額になってくれば、中古のポルシェやNSXといった、スーパーカークラスすら候補に入ってくるレベルだからだ。私はNSXにもポルシェにも乗ったことはない。当然フェラーリもない。こういったスーパーカークラスは、もしかすると、すべての面で上記2台を凌駕するかもしれない。だが、逆に言えば、そういったスーパーカークラスを除けば、つまり私が試乗してきたクルマの中では、間違いなく”買って後悔なし!”の太鼓判を押せる、これは間違いないといえる。何度も言うけど、ぜひ試乗してみて欲しい。それだけだ。
 ちなみに、価格面について朗報!雑誌等ではS2000は値引きなし!と書かれているが、私が行った店では結構びっくりするような数字がでた。営業担当者に口止めされたのでここでは言えないが、少なくとも2桁万円の値引きが提示された。4年払いで、月々35000円、ボーナス時20万円。諸費用込み、頭金80万円で、S2000を手に入れることが可能だ。
 蛇足だが、私自身の結論については・・・まだでていない。むしろ混乱する一方だ。ヒトコト言えるとすれば、S2000のtypeRが在れば、間違いなく私は今日ハンコを押していただろう。

 

◎HEATとは?

 うおおおおおおお!!それは、11月にツインリンクもてぎで開催されたNSXフェスタのレポートのHPでした。そういえばそんなイベントもあったかも。でも、混雑するだろうから、ちょうどその前の週にモテギに行ったんだっけ。どれどれ、NSXのデモランか。レーシングマシンの走行ねえ。ふんふん!?何?ジムカーナコースでNSX試乗だとぅ!!おおお!マジっすか!?あの1000万円クラスのNSXを、ジムカーナコースでフル加速したり、高速コーナリングしたり!?そんな夢のようなことが!?しまったああああぁぁぁぁああああ・・・事前に知ってたら、絶対この日に行ったのに。無念・・・
 しかし、あきらめきれない私は、検索サイトに片っ端から「NSX 試乗」と叩き込み、インターネットの大海を漂うこと3時間。ついに、それらしきHPを発見。それが、日吉にあるホンダベルノディーラー”HEAT”でした。HEATは、トヨタNetzのようなコンセプトで、クルマを中心にしたアミューズメントスポット的な店舗で、セルフ試乗や自動見積、無料販促ビデオレンタル等、より気軽にホンダ車で楽しめるスポットをコンセプトにしているようです。そして、試乗車の写真の中にはなんとNSXが!こ、これはもしや、NSXも試乗可能!?という訳で、即効でHEATを訪問してきました。

 HEATは、東急東横線の日吉駅と綱島駅のちょうど中間地点にあり、どちらの駅からも徒歩15分くらいは歩くので、ちょっと不便。まあ、車で行ったほうが楽です(綱島街道沿いなので、見つけやすい)。エントランスは広く、ストリームからインサイトまで、10台くらいの展示車がお出迎え。もちろん、自由に座ったり触ったりできます。そしてその中には、NSXtypeSも!うーん、期待に胸が高鳴ります!
 中は、PCでセルフ見積もりができるコーナーがあったり、Hobbyコーナーでミニカーが販売されていたりと、なかなか楽しめそうな雰囲気。建物自体も新しそうです。早速、右奥のカウンターでHEATカードの登録開始。免許証を提示し、3分くらいで完了です。さて、いよいよ試乗!試乗車リストを見せてもらうと・・・あれ?スポーツカーコーナーに登録されているのは、S2000とアコードユーロRだけ・・・”NSXは?”と確認すると、”申し訳ありません、展示のみになります”・・・・そりゃそうだよねえぇ。1000万円の車の試乗なんて、なかなかさせてくれないよね。予想はしていたが、ちょっとがっかり。ちなみにインテRは隔週で試乗可との事。あと、普通の車は、比較試乗として1日2台まで試乗できるそうですが、スポーツカーは1日1台のみ。所定の試乗コース(15分くらい)を1週できます。悩んだ挙句、その日はS2000typeVに決めました。カウンターでキーとPHS、地図を受け取り、いざ試乗の始まりです!

AS2000typeV

○概要

 S2000typeVは、VGSという世界初の車速応動可変ギアレシオステアリングを装備した車です。つまり、低速ではまるでカートのようにクイックなステアリングレスポンス(ロックtoロック1.4回転!)で、スピードが上がるにつれノーマルステアリングと同じ感覚に可変していく、というシステムです。結構、雑誌等では賛否両論なので、興味深いところです。

○居住性

 居住性に関しては、基本的にノーマルS2000と変わりません。前日に借りた新型ロードスターと比較すると、やはりボディ剛性が雲泥の差です。シフトストロークも超ショート。内装といい、各部品の品質感といい、エンジンといい、全体的にワンクラス上の印象です。もしかしたら、新型ロードスターならS2000と同等の満足感が得られるかも・・と期待してロードスターをレンタルした訳ですが、よりいっそうモノの違いをマザマザと感じさせられました。ちなみに今回の試乗車は純正DVD付でした。意外に見やすいモニターでしたが、市販のカーナビと比較すると、情報量が少なく、イマイチさびしいかんじがします。ただ、S2000はオープンカーなので、一般車よりも盗難の危険性は高いので、ダッシュボードにビルドインされた純正カーナビは魅力的です。

○動力性能

 さて、一般道に出て、いざ試乗開始。左折して一般道へコースイン。お!確かにコブシ2つくらい左に切っただけで、90度くらい曲がるぞ!しかも、意外に違和感なし。軽くアクセルを吹かすと、後方から”ファーン”という心地よいサウンドを奏でながら、リニアに加速。・・・やはりこのエンジン、最高。アクセルひと踏みで、ロードスターは選択肢から消えてしまいます。ちょっと試しに軽く左右に振ってみると、初期応答はクイックのひとこと!まるで、カートのような切れ味です。これは楽しいかも!次の左コーナーも、軽がるとクリア。車体自体の動きがまさにカートのようにクルっと向きを変え、車の大きさや重さを感じさせません。まるで1t以下のライトウェイトカーのような挙動を見せます。ただ、ちょっと細かい点で文句をつけるとしたら、ステアリングからのフィードバックが若干希薄です。まあ、待ち乗りでは全然違和感を感じませんが、ワインディング等をせめたら、ちょっと路面からのフィードバックのなさに違和感を覚えるかもしれません。さて、ちょっと長めのストレートで、前方に車がなかったので、1速で引っ張ってみることにしました。そうそう、キーを渡されたとき、くれぐれも法廷速度を越さないように、とクギを刺されました。60kmなんて、VTECのハイカム側が使えません・・・なんの為の試乗なんだか。しょうがないので1速で全開!スムーズに吹けあがるエンジン、そして6000回転を超えると同時に、さらにパワー炸裂!す〜ばらしいぃぃぃ!ホぉぉンダの技術は世界いちぃぃぃ。ふっとデジタルタコメーターに目をおとすと、8000回転!あと僅かでリミットの9000回転じゃないですか!一瞬、頭の中で天使と悪魔がバトルするも、コンマ5秒で悪魔のノックアウト勝ち。アクセルを数ミリ踏みこむと、タコメーターが点滅、9000回転のレブリミット達成!うおぉ、すげえ!ホントに9000回転まで回るなんて!感動にひたりつつ、ふっとデジタルスピードメーターに目を落とすと、●8という数字が・・・やああああべへええええええ!!法定速度って、60kmだっけ!?バックミラーを確認し、即座にフルブレーキ。どきどきどきどき。1速で、あそこまでスピードが出るとは・・・おそるべしS2000。っていうか、この車、タコグラフついてるんじゃなかったっけ・・・やべえ〜。多いに反省した私は、その後はきちんと法定速度を守り、安全運転に徹したのでした。途中、片道1車線の道路でバスが停止していたので、レーンチェンジ&追い越しというシチュエーションがあったのですが、そのときも、僅かコブシ1つハンドルを切るだけで、楽々レーンチェンジ可能。ホント、待ち乗りにはVGSはオススメです。

○結論

VGS、思っていた以上に違和感がなく、結構オススメです。ノーマルでも充分リニア感があって楽しいS2000ですが、よりライトウェイト感覚が強調されていて、待ち乗りフォーミュラーカーといった感覚。もし(中古で)ノーマルとVGSが同じ価格なら、VGSを選ぶと思います。ただ、今回の試乗で改めて感じたことは、S2000はその車格以上にライトウェイトスポーツカー感覚を目指した結果、ちょっと色々なところに違和感がでてるな、という点です。スーパー7のようなダイレクト感を求めつつ、安全対策や環境問題に対応した現代のスポーツカーを目指した、というコンセプトは立派で、確かにすばらしく良くできているとは思います。しかし、車重やディメンションといった、絶対的な物理スペックはいかんともしがたく、違和感は否定できません。あと、個人的にはVGSよりもシーケンシャルMTを開発して欲しいと思います。そのほうが、よりフォーミュラー感覚だと思うのですが・・・まあ、いずれにしても、現時点では欲しいクルマNo1であることには変わりはありません。

○おまけ・・

 色々なホンダ車が気軽に試乗できる、HEATはとても良いところでした。ぜひ皆さんも行ってみてください。ただし、法定速度は必ず守りましょう。試乗コースには一般の住宅街にも面しているため、スポーツカー等でぶっ飛ばすと、近隣住民の迷惑になります。しかも、S2000とインテRにはタコグラフが装着されているため、どんな運転をしたか後でバレます。最悪、試乗御断りを言い渡されてしまいますので、きおつけて、安全に楽しんでください・・・

 

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